介護保険制度が整備されてから、制度に則りながらケアを提供していく上で向上していくサービス内容、そしてそれに合った法整備。安心を提供するために、制度に従って適切にケアしていることを証明する紙、紙、紙。
必要書類はあまたに増え続け、全てまともに筆記すると、最早現場が回らない…

そんな中で大きな力を発揮するのは「介護ソフト」
各メーカーが介護保険制度に準じながら、現場の業務上、いかに「手書きの紙」を減らせるかで工夫を重ねている分野です。

「手書きの紙」は義務教育を受けている日本国民であれば、誰しもが簡単に作業でき、ササッと書くだけであれば非常に気楽です。

しかし、介護業界における「手書きの紙」は用途が非常に複雑で、同じことを何度も書かなければいけなかったり、転記する箇所が複数あったり、間違えやすい項目が多かったり、時系列ではなくてはならないことがあるので単純に見えるメモ書きには恐ろしいほどの情報量が詰まっている事もあります。単なる「手書きの紙」「驚異の紙」でもあります。
しかし、所詮は紙。ちょっとしたことで無くなってしまったり、大きな災害で一気に失われてしまうことも…
「手書きの紙」について説明ができたところで、介護ソフトを見ていきましょう。

【介護業界で使われているソフト】

介護事業所や施設を運営する上で一般的に利用されている種類は下記です。
・介護請求機能を有するソフト
・介護記録機能を有するソフト
・介護業務上で必要な帳票を管理できるソフト
・勤怠管理システム
・給与計算機能を有するソフト
・経理ソフト
・栄養管理システム

すべてのソフトに共通することは個人情報を取り扱う点です。
導入時には、どのように情報を管理するか、セキュリティーレベルのご検討が必要です。

【俗に言う介護ソフト】

インターネットなど巷で「介護ソフト」というと、現在では、介護請求機能、介護記録機能、帳票管理機能があるものを指しています。厚生労働省は「介護業務支援ソフト」と表現しており、ICT化の重点分野にも指定されています。
各製品に強みがあり、ソフトによっては対応していない分野もあるので、どんな事に介護ソフトを利用したいか、業務上での現場確認が必要となるでしょう。

【介護ソフトの選び方】

ご自分の事業所や施設ではどんな管理がしたいのか、どういう用途で介護ソフトを利用するのかを検討しつつ、まずは、オンプレミス型かクラウド型かの選択になるでしょう。

・オンプレミス型
事業所・施設内にサーバールームのような施設整備が必要になる場合があります。データは完全に事業所・施設内で完了するため、自分で保管する形になります。インターネットがなくても動作はしますが、故障によるデータ消失を最低限に抑えるため、データのバックアップを定期的に行う必要があります。

・クラウド型
事業所・施設内にはデータを置かず、インターネット上に記録することで保管します。インターネットがないと動作しません。しかし、機器の故障によるデータ消失リスクはなく、データにどこからでもアクセスができるため、コロナ禍では請求担当はリモート勤務という方法がとれた事業所・施設もあるようです。また、個人情報は常にIDとパスワード管理で守られており、いちいち紙にだして持ち歩かなくてよくなるというメリットがあります。

【介護ソフトの価格の差】

それぞれの事業所・施設に合わせてカスタマイズが可能なソフトは一般的に高額になります。また、決まった機能をそのまま使うソフトは低料金で利用ができます。
パソコンなどの端末だけでなく設備が必要な事からオンプレミス型は設備費用が想定されます。一方クラウド型は場所を取らず、パソコンなどの端末の他はインターネット環境の準備のみが必須です。
また、料金は初期費用や月額利用料などの表記になっている事が多く、何に値段がついているのかは各ソフトによって異なります。トータルコストの他に運用上のコストについても記載されているため、コストパフォーマンスについては納得できるまで確認する必要があります。

「機能」や「使いやすさ」だけじゃない?確認しなければならない条件とは

①報酬改定の対応

介護保険制度は3年に一回法改正(報酬改定)があり、それに対応するかどうかは確認が必要です。対応料金が有料か無料かはメーカーによって異なります。
オンプレミス型は、メーカー側で更新作業が必要となる場合が多いですが、クラウド型は一斉更新でバージョンアップ対応されることが一般的です。

②導入支援(サポート)の対応

スタッフなど人の出入りがあると、使う機能が変わったり、新人が覚えたりする必要があり、都度「使い方」を学ばなければならない場合があります。前任者がうまく引き継げなかった場合、導入初期のように説明や支援が可能なのかの確認が必要です。

③災害時の対応

BCP対策上でもデータの取り扱いについては各事業所・施設で取り決めが必要となる時代です。万が一何かがあった時、データの優先順位は高くなく、人命こそが最も重要です。一段落ついたところで「データがなくなってました」というケースにならないために、どのような管理が望ましいのか、またどんな管理方法があるかはメーカー側に対策を聞くとよいでしょう。クラウド型については、データは常に安全な場所に保管されています。最終はインターネットが繋がっている時点のデータになりますが、インターネットが繋がらないという状態は既に何かが起きている状態です。速やかに状況を確認し、何かがあった場合は生命を守ることに全力をかけられます。インターネットがある場所では再び以前と同じようにソフトを継続データのまま、続けて利用できます。

【まとめ】

介護ソフトは多くの種類があり、選ぶのも大変です。
まずは、業務上どんな事を電子化したいのか、現場での理想の形などを確認し、予算立て、どれくらいの時間をかけて導入したいかなどを検討しつつ、各メーカーにお問合せください。
電子化するにあたっては 介護ソフト・安い というのは大きなポイントですが、それだけではなく、機能、運用方法やセキュリティー管理方法が自分の事業所・施設の運営に合っているのかや、初期費用だけではなくランニングコストや報酬改定時の確認など検討する点は数多いです。
しかし、合ったものを導入し、定着した場合、事業所・施設の業務効率や紙にかかっていたコストダウンは以前とは比べ物にならない程向上するでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。