介護IT・ICTを導入したいと思った時、多くの方は「補助金があるのかないのか」をまずは確認しておられると思います。そのあとに「欲しい製品は対象なのか」の確認を行うのではないでしょうか。

令和5年度までで一旦、ICT導入支援事業の拡充年度は目途とされており、令和6年度以降がどのような方針になるのかは、介護事業所様だけではなく、介護IT・ICT業界も注目する重要な動向となっていました。

なぜかと言うと、補助金の対象にならなければ、導入をかなり迷った状態の現場、特に物価高騰や人材確保問題で何かと資金繰りにも苦労している事業所に対しては、「今すぐご決断を!」と申し上げにくくなってしまうからです。
数多くの成功事例を数年にわたって、ICT導入の現場のそばで見ていて、デジタル化つまりIT・IoT化はいち早くやった方が現場は楽になることは十分に分かっていながら…です。

かつてデジタル化に悩まれて事業所様で、導入後、「全然ダメだったよ、てんで役に立たない」という話は10年販売を行ってきて聞こえてきておりません。つまりデジタル化は高い確率で介護現場の業務改善に効果があり、導入後は日常業務が改善されることで継続して事業運営に良い効果をもたらしています。

絶対に今導入に動いて損はありません!心置きなく全力でお勧めしたい!

これが、絶対に現場の役に立つと思い願って一生懸命システム開発と改善を行っているメーカー側の気持ちです。

このようなメーカー側の願いも、ICT化するなら補助金がないと厳しいと思われておられる事業所様の願いも一緒に通じたのか定かではありませんが、導入を令和5年までに完了できなかった事業所様に対し、救いの一手が再び提示されることとなりました。

介護テクノロジー導入支援事業(仮称)です。

目次

  1. 介護テクノロジー導入支援事業(仮称)とは
  2. 補助金を受け取れる事業所・施設の傾向について
  3. 効果の波及とは
  4. 最後に

【1、介護テクノロジー導入支援事業(仮称)とは】

地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分)で令和5年度まで実施されてきた「介護ロボット導入支援事業」と「ICT導入支援事業」の発展的見直しとして拡充された補助金で令和6年度概算要求額は137億円です。

※厚生労働省 令和6年度概算要求の概要(老健局)の参考資料 P42 参照

実施主体は都道府県となります。根拠としては令和5年度に改正された介護保険法の規定で、介護現場の生産性向上を推進する努力義務については都道府県が負っているためです。

※厚生労働省 社会保障審議会223回 【資料3】介護現場の生産性向上の推進/経営の協働化・大規模化(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)P6 参照

よって、各事業所が補助金を使用するためには、ご自身が所在する各都道府県が交付する要綱の要件を満たす必要があります
各都道府県がいつどのように情報公開するかについては定めがありませんので、各都道府県の実情や過去の実績なども考慮された上での発表になるのではないかと思われます。
実情というのは、おそらく各自治体で出している他の補助金や他の産業などとの兼ね合い、実績というのは昨年度まで交付されていたICT導入支援事業が参考になるでしょう

※ICT導入支援事業についてはこちらのページをご覧ください。

事業の目的、補助対象、補助要件については公表されており、以下のように記されています。

「事業の目的」

介護人材の確保が大きな焦点である中、政府は今、介護ロボットやICT等のテクノロジーを活用して、業務の改善や効率化等を進め、職員の業務負担軽減を図るとともに、生み出した時間を直接的な介護ケアの業務に充て、さらには介護サービスの質の向上にも繋げていく介護現場の生産性向上を、より推進していく必要があると考えています。

数年前からこの流れは続いていて、社保審のみならず、様々な有識者会議でも議題として取り上げられ、徐々に業界全体にはIT・ICT・IoTの風が吹いてきました。実際に2021年改正ではLIFE、2023年にはケアプランデータ連携システムの稼働、2024年改正では、生産性向上推進体制加算が新設されるまでになっています。

2024年は報酬改定の年であるため、介護の政策では昨年より具体的かつ大きな方針が示されています。補助金に間しても、過去の「介護ロボット導入支援事業」「ICT導入支援事業」の統合や支援メニューの再構築、介護職員の業務負担軽減や職場環境の改善に取り組む介護事業者がテクノロジーを導入する際の経費を補助し、生産性向上による働きやすい職場環境の実現を推進するためという目的が公表されました。

「補助対象」

補助対象は以下で示されています。

【介護ロボット】
・移乗支援、移動支援、排泄支援、見守り、入浴支援など、厚生労働省・経済産業省で定める「ロボット技術の介護利用における重点分野」に該当する介護ロボット

【ICT】
・介護ソフト、タブレット端末、スマートフォン、インカム、クラウドサービス、他事業者からの照会経費等
・Wi-Fi機器の購入設置、業務効率化に資するバックオフィスソフト(勤怠管理、シフト管理等)

【介護現場の生産性向上に係る環境づくり】
・介護ロボット・ICT等の導入やその連携に係る費用
・見守りセンサーの導入に伴う通信環境整備
Wi-Fi環境の整備、インカム、見守りセンサー等の情報を介護記録にシステム連動させる情報連携のネットワーク構築経費等

【その他】
・上記の介護ロボットやICT等を活用するためのICTリテラシー習得に必要な経費

「補助要件」

単に「補助金下さい」で申請しても採択されないのは以前と変わらず同じです。
以下のように記載があります。


✓介護ロボットのパッケージ導入モデル、ガイドライン等を参考に、課題を抽出し、生産性向上に資する取組の計画を提出すること。(必須要件)


また、補助対象によっても補助額が変わりますので、注意しましょう。

【介護ロボット】

区分補助額補助率補助台数
移乗支援
入浴支援
上限100万円3/4
(※)
必要台数
上記以外上限30万円
※一定の要件を満たす場合は3/4、それ以外は1/2

【ICT】

補助額補助率補助台数
1人~10人100万円 3/4
(※)
必要台数
11人~20人160万円
21人~30人200万円
31人~260万円
※一定の要件を満たす場合は3/4、それ以外は1/2

【介護現場の生産性向上に係る環境づくり】

補助要件補助額・率
・取組計画により、職場環境の改善(内容検討中)を図り、職員へ還元することが明記されている事上限
1,000万円
(3/4)
・既に導入されている機器、また本事業で導入する機器等と連携し、生産性向上に資する取組である事
・プラットフォーム事業の相談窓口や都道府県が設置する介護生産性向上総合相談センターを活用する事

【2、補助金を受け取れる事業所・施設の傾向について】

採択される事業所・施設様には全国で共通の傾向があるように思われます。
それは、課題の正確な把握と記述があり、目的、評価方法を全て明確にしているという点です。

「デジタルで解決すべき課題とは」

事件は現場で起きています。
よくICT導入で担当者になるのは、経営者自身か業務改善委員会のようなチームであることが多いように思われます。
故にご自身が現場の事を良くご存じであるという場合もありますが、より詳細を確認する場合には実際の現場を検証したり、現場リーダーにヒアリングしたり、実際にどんな事に困っていて、何が問題を解決するためにどんな機器を導入すれば解決するのか実態の情報収集とICTの機能のマッチングが必要になります。

「なぜ・何のために・誰が」

課題はありとあらゆるところに大小存在し、簡単に解決できるものからかなり難しいもの、オペレーションに起因するもの、人員配置に起因するもの、資材不足に起因するものなど実にさまざまです。
まず、なぜそれが課題となっているのかを考える必要があります。
例えば、残業です。何故残業になっているのでしょうか?一時的なものでしょうか?体制が原因でしょうか?利用者様のケアが予定時刻内でスムーズにいかないからなのでしょうか?オペレーションに二重作業が発生していませんでしょうか?
職員が何のせいだと考えているか、また実際のところそれが本当に原因なのか、総合的に見て、どの部分が残業の原因になっているのか確認が必要になります。

次に何のために解決しないといけないのかということです。
例えば、残業が職員の離職理由である場合です。そうでなくとも就労人口が減っている日本にあって離職のリスクは非常に大きいものです。特に拡大を続ける介護業界にとって、職員一人一人は大切な存在です。今活躍中の職員と同じようなレベルの技術やハートを持った人物を再度採用するのは非常に難しい事です。そのため、残業による離職問題を解決するために残業を減らすにはどうしたらいいのか考えないといけません。

次にそれを誰が実行するのかということです。
実行する人物には裁量権を与える必要があります。個人でもチームでも、良いと思ったことを推進できるだけの裁量が必要です。もちろん手放しで全部OKなのではなく、きちんと周囲の意見や相談ができる体制をつくる必要があります。

「経営者だけの判断、現場に丸投げはNG」

ICT導入について、単独での判断は非常に危険です。
というのも、誰よりも担当者自身が全てに詳しいと自他ともに認めていたとしても、協力してくれる「人」がいないとプロジェクトは上手くいかないからです。よく物事を実行するにはNo.2が重要であるという話があります。介護現場のICT導入についてはかつての成功例を様々拝見すると、特にその傾向が顕著です。
また、導入を決めた後に機器と説明文だけを現場に送ったり、機器を送って製品の営業マンだけ送り込んだりするパターンがあります。これも非常に危険です。
というのも、現場が<なぜ・何のために・誰が>をきちんと理解できていないからです。新しいことを始めると「考え」なくてはなりません。
現場は常に忙しく、オペレーションを体に染み込ませて反射的に行動することで時短できるようにしている方も大勢いらっしゃいます。ICT導入を検討しているような現場はほとんどすべて「多忙」の状態であることが多く、「考え」る時間を取ることが困難になっている場合があります。「考え」る時間が無い場合どうなるかというと、

「後回しでいいや」

となります。「後」とは、いつなのでしょうか。
忙しいと、きっと優れた機器もよくわからないまま手元にあることになり、利用者様の行動範囲の邪魔になったりすることで、現場で最優先される【事故防止】のために、いつしか倉庫の肥やしになっていくのです。しかしそれは現場が悪いのではなく、現場は最善を考えた上で倉庫の肥やしにしてしまったのです。

つまり、No.2が必要であること、現場をプロジェクトに巻き込むことで<なぜ・何のために・誰が>を一緒に考えてもらうことが必要です。

「数値で語る」

補助金には、成果を表す数字が何か既に要件に記載されて、報告義務としている場合があります。しかし、規定がない場合、どうしたらよいのでしょうか?

効果の判断基準とはなんでしょうか?
「だいたい自分の感覚」
「うちの現場はこう」
「みんながこう言っている」
「それっぽい」
これは他の人、特に公平をきさねばならない行政や採択業務担当者からすると、何故そうなのか感覚を共有できず理解することができない基準です。

では、理解しやすいものは何かというと、統一した価値観に基づいた数字です。
信頼できる確たる数字である必要があります。

一番は社外に申告できる数字です。例えば人員配置、総労働時間、残業代の総合計や平均値、これらは申告も必要で、統一した基準があり、一切誤魔化すことのできない信用性の高い数字となります。

他にも「生産性とはなにか」を考えた時に象徴すべき数字は何であるかということです。
・夜勤の人が疲弊する理由とは?移動距離でしょうか、何かの回数でしょうか?
・疲弊の度合いは何の業務と連動している傾向がある?掛かっている時間は?
・連動している業務の数は?どんな特徴がある?最終的に監査や請求に必要な項目?
・記録業務では何が面倒だと現場が思っているのか、面倒を無くすには?何回も同じ事を何人もやっている記録業務は何?
・何の業務回数を減らせば質を落とさず効率化できる?

ヒヤリハットの数は現場では毎日と言っていいほど生まれていますので、事故を未然に防ぐために考えることが出来るのであれば、問題があると感じられる自分の仕事に対してこのような疑問も自然にいくつも頭に浮かぶはずです。
ただ、忙しすぎるだけで利用者様に直接問題が無い場合は思い浮かんでもすぐに消してしまいます。目の前に利用者様がいる。利用者様最優先の現場ではそうならざるを得ないのです。

ですので、業務効率化を示す数字を法人内で決める場合、導入担当者、チームで改めての情報整理と深堀が必要です。

【3、効果の波及とは】

税金を使って支援を受ける以上、ICT導入を行った結果が「便利になって良かったね。」だけでは使用用途としては問題になってしまいます。
数値の改善の結果、どんなことに効果があるのかというところに注目が必要です。

ヒントは既にあり、内容からすると、令和5年の補正予算案の主要施策集も参考になります。介護ICTについては、P.5に「波及プロセス」という言葉があり、以下の記載となっています。


・生産性向上の取組や経営の協働化・大規模化等を通じた職場環境改善を推進することにより、介護人材の確保や介護サービスの質の向上に繋げていく。


つまり上記のような波及イメージが補助金交付採択に繋がる鍵となります。

「現場のルーティンと従業員の労働環境」

まずは、現場のルーティンが良くならなければなりません。数字を用いて、「何が改善する」のかを具体的に示します。要件として最初から「改善すべき指標」が示されているケースもありますが、ない場合は、何の数字をもってしてルーティンの改善と言えるのか考える必要があります。

例えば、朝のバイタル測定時に体温などの数値を最終的に1台のパソコンに入力する作業があるとして、「測定時の現場メモから読みやすいメモへ、読みやすいメモを保管用の清書紙に転載し、それを見ながら担当者がパソコンに入力」というルーティンがあったとして、補助金を使ってバイタル測定機器の数値をそのままパソコン内のソフトウェアに同期できるICT機器を導入するとします。途中のメモ転記作業がなくなることで一体どんな数字が変わることが期待できるのでしょうか。

この例のケースですと、労働環境にはどのような改善があるでしょうか。
文字を書くという事は案外時間のかかることです。
作業自体はトータル15分ほどの微々たる時間だったかもしれません。しかし、現場はとぎれとぎれ合間を縫って作業を行っているケースがほとんどですので、殴り書いた文字を解読したり、メモを探したり、全く異なる作業から再び頭を切り替えるのにも時間がかかります。よってトータルで損失していた時間は結構なものになっていた可能性があります。

これが残業の原因の一つとなっていたとすれば、「現状の作業時間の把握」と「ICT導入後に見込める改善後の作業時間を想定」できれば、具体的な改善計画を立てて効果を見込むことができます。

「利用者様へ…サービス提供の質の向上」

ICTを導入することで、職員の負担が軽減し生産性が上がり、さらにはケアの向上という波及効果に結び付くという代表的なものには「介護ソフト」の他に「介護ロボット」に区分される「見守り機器」があります。
多くの介護事業所・施設では導入することで早くから良い結果が生まれており、多くの立証データがあります。

「見守り機器」についてご興味があれば是非、以下の資料をご覧ください。

※令和3年 厚生労働省|介護ロボットの導入支援及び導入効果実証研究事業報告書

見守り機器は高額であることもあるため、補助金を利用して導入できれば事業所や施設運営にとっては大きなメリットとなります。

【4、最後に】

介護のICTに関する補助金は、今は政府の方針によって優遇されている状況にありますが、いつその対象を外れるのかは現状わかりかねます。
受け取る権利があるうちに活用して、人口減少で同じ体制の確保が難しくなっていく中でも介護現場をよりよく、またケアの質の向上も両輪を向上できれば最高です。

国から期待されている仕事・業界だからこその補助金、あるうちにICT導入についてお考えいただくことをお勧めいたします。無くなってから人が足りずに仕方なく導入することになった場合、様々な面で今よりも大変なことは間違いありません。

また、当社で運営しているクラウド型介護ソフト「ケア樹」は多くのICT機器とデータ連携できるため、業務データの分散や二重登録作業といった業務の手間を省き、ICT機器の良いところだけ活用することができます。例年の補助金においては多くの場合、「ケア樹」も補助対象機器となっていることが多い製品です。もしまだ「ケア樹」をご存じない場合には、生産性に寄与する事例も多く持っておりますので、お気軽にお問合せいただき、資料や無料の体験にてご検討ください。

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