居宅介護支援事業所における特定事業所集中減算とは、居宅介護支援事業所におけるケアマネジメントの公立中立性を確保するために、同一の事業者によるサービス提供の偏りを防止するための減算です。令和6年度(2024年度)では特に変更点はありませんでした。
【居宅介護支援事業所の特定事業所集中減算、その適用要件】
正当な理由なく、前6カ月の間に作成された居宅サービス計画に位置付けられた居宅介護サービスの提供総数のうち、同一のサービス事業者によって提供された数が80%を超えている。
※全ての居宅介護支援事業者は、対象サービスに指定された介護サービスへの紹介率について、最高で80%を超えた法人があった場合には指定の期日までに名称等について記載した書類を作成し、提出する必要があります。
※提供総数が一定数以下である等の正当理由がある場合は提出対象外になることもあります。正当な理由については記事の下部に別途説明を記載しています。
※もし80%未満で提出する必要が無かったとしても紹介率の算定書類に関しては基準の順守状況に関する所定の記録を作成し、2年間の保管義務があります。また、市町村などの求めに応じて提出する必要があります。順守状況に関する記録様式も各自治体のホームページでダウンロードができますが任意様式でも同項目の内容が分かれば良いとされているところもありますので、詳細については所属の自治体にご確認ください。
※運営指導の際に確認される場合があるため、順守状況の記録の作成は毎月行う必要があります。
【特定事業所集中減算の単位数】
-200単位/月
【特定事業所集中減算の判定方法、判定期間とは】
【判定方法】
①居宅サービス計画のうち、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与が位置づけられた居宅サービス計画の数をそれぞれ算出する
②それぞれのサービス種別(訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与)ごとに最も紹介件数の多い法人(紹介率最高法人)を位置づけた居宅サービス計画の占める割合を計算する
③いずれかのサービスについて80%を超えるかどうか
※①~③の判定作業を行い、80%を超えた場合に減算となります。
【判定期間】
前期と後期があり、それぞれ下記になります。
前期:3月1日~8月末日 ・・・減算適用期間10月1日~3月31日
後期:9月1日~2月末日 ・・・減算適用期間 4月1日~9月30日
【介護給付費算定に係る体制等に関する届出書について】
減算の適用の有無に変更がある場合に提出が必要な書式です。
減算が「あり」から「なし」に変わる場合に同届出書が無い場合、減算「あり」のままとなり、引き続き減算請求が必要となります。
また、逆に減算が「なし」から「あり」になった場合に「特定事業所加算」を取得している場合は要件を満たさなくなるため同届出書が必要となります。
この届出書は特定事業所集中減算判定様式等の書類と一緒に提出する必要があります。
※厚生労働省老健局 「介護給付費算定に係る体制等に 関する届出等における留意点について」等の一部改正について
【紹介率最高法人が80%を超えたとしても提出対象外と認められるケース、「正当な理由」とは】
提出対象外と認められるには、「正当な理由」が必要となります。
正当な理由は下記で定義されています。
・居宅介護支援事業者の事業の実施地域内において各サービスごとに、5事業所未満であること
・特別地域居宅介護支援加算をうけている事業者である場合
・判定期間の1月あたりの居宅サービス計画件数が20件未満であること
・判定期間の1月あたりの居宅サービス計画のうち、それぞれのサービスが位置づけられた計画件数が、1月あたり平均10件以下であるなど、サービス利用が少数である場合
・サービスの質が高いことによる利用者の希望を勘案した場合に、特定の事業者に集中していると認められるとき
最後までお読みいただきありがとうございました。
※介護保険制度の詳細については各自治体の介護保険制度の担当窓口にお問合せください。