【特定事業所加算(居宅介護支援事業所)とは】

居宅介護支援事業所における特定事業所加算とは、公正中立で質の高いケアマネジメントを実施している事業所を評価するための加算です。地域包括支援センターから紹介される支援困難ケースや中重度者への対応も可能なサービス提供体制の確保、新たに追加されたヤングケアラーに関する事例検討会及び研修参加要件など、厳しい算定条件を満たした事業所に対し支払われます。令和6年度(2024年)の改正で変更点があります。

※このページでは訪問介護の特定事業所加算については記載しておりません。

【区分と単位数】

区分は4種類あり、最も厳しい算定要件は(Ⅰ)になります。
>特定事業所加算(Ⅰ)…519単位/月
>特定事業所加算(Ⅱ)…421単位/月
>特定事業所加算(Ⅲ)…323単位/月
>特定事業所加算(A)…114単位/月

【各区分の算定要件】

【特定事業所加算(Ⅰ)…519単位/月】

①常勤かつ専従の主任介護支援専門員を2名以上配置していること(利用者に対する指定居宅介護支援の提供に支障がない場合は、指定居宅介護支援事業所の他の職務と兼務、同一敷地内にある他の事業所の職務と兼務可)
②常勤かつ専従の介護支援専門員を3名以上配置していること(利用者に対する指定居宅介護支援の提供に支障がない場合は、指定居宅介護支援事業所の他の職務と兼務、同一敷地内にある他の事業所の職務と兼務可)
③利用者に関する情報やサービスの提供にあたって、留意事項などの伝達を目的とした会議を概ね週1回以上、定期的に開催していること(WEB会議も可)
④24時間連絡体制を確保し、必要に応じて利用者などからの相談に対応できる体制があること
⑤算定月の要介護3~5の者の割合が40%以上であること
※地域包括支援センターから紹介された支援困難事例は計算対象外
⑥介護支援専門員に対し年間での個別研修計画を研修実施年度が始まる前に作成し、計画的に研修を実施。研修目標の達成状況を適宜評価・改善措置の実施を行っていること
⑦地域包括支援センターと連携し、支援困難事例の紹介であっても居宅介護支援を提供できること
⑧家族に対する介護等を日常的に行っている児童や、障害者、生活困窮者、難病患者等、高齢者以外の対象者への支援に関する知識等に関する事例検討会、研修等に参加していること
⑨特定事業所集中減算の適用を受けていないこと
⑩介護支援専門員1人の介護予防を含む利用者数が45名未満、居宅介護支援費Ⅱを算定している場合は50名未満であること
⑪介護支援専門員実務研修における科目「ケアマネジメントの基礎技術に関する実習」等に協力または協力体制を確保していること
⑫他の法人が運営する指定居宅介護支援事業所と共同で事例検討会、研修会等を実施していること
⑬必要に応じて多様な主体により提供される利用者の日常生活全般を支援するサービスのサービス(保健・医療・福祉の介護給付等対象外サービスや地域のボランティア活動によるサービス)が包括的に提供されるような居宅サービス計画を作成していること

【特定事業所加算(Ⅱ)…421単位/月】

加算Ⅰの算定要件②・③・④・⑥・⑦・⑧・⑨・⑩・⑪・⑫・⑬に加えて、下記の要件を満たすこと。
・常勤かつ専従の主任介護支援専門員を1名以上配置していること(利用者に対する指定居宅介護支援の提供に支障がない場合は、指定居宅介護支援事業所の他の職務と兼務、同一敷地内にある他の事業所の職務と兼務可)

【特定事業所加算(Ⅲ)…323単位/月】

加算Ⅰの算定要件③・④・⑦・⑧・⑨・⑩・⑪・⑫・⑬に加えて、下記の要件を満たすこと。

・常勤かつ専従の主任介護支援専門員等を1名以上配置(利用者に対する指定居宅介護支援の提供に支障がない場合は、指定居宅介護支援事業所の他の職務と兼務、同一敷地内にある他の事業所の職務と兼務可)

・常勤かつ専従の介護支援専門員を2名以上配置(利用者に対する指定居宅介護支援の提供に支障がない場合は、指定居宅介護支援事業所の他の職務と兼務、同一敷地内にある他の事業所の職務と兼務可)

【特定事業所加算(A)…114単位/月】

加算Ⅰの算定要件③・⑦・⑧・⑨・⑩・⑬に加えて、下記の要件を満たすこと。

・常勤専従の主任介護支援専門員を1名以上配置していること。(利用者に対する指定居宅介護支援の提供に支障がない場合は、指定居宅介護支援事業所の他の職務と兼務、同一敷地内にある他の事業所の職務と兼務可)
・常勤専従の介護支援専門員、また非常勤専従の介護支援専門員を各1名以上配置していること。(利用者に対する指定居宅介護支援の提供に支障がない場合は、指定居宅介護支援事業所の他の職務と兼務、同一敷地内にある他の事業所の職務と兼務可)

※つまり、利用者様への支障がない場合は条件付きの兼務でも可能の【常勤主任・1名+常勤・1名以上+非常勤・1名以上=常勤換算で2名以上、非常勤換算で1名以上】を専従で配置する必要があります。

・24時間連絡体制を確保し、必要に応じて利用者などからの相談に対応できる体制があること(他の居宅介護支援事業所との連携も可)
・介護支援専門員に対し年間での個別研修計画を作成し、計画的に研修を実施。研修目標の達成状況を適宜評価・改善措置の実施を行っていること(他の居宅介護支援事業所との連携も可)
・介護支援専門員実務研修における科目「ケアマネジメントの基礎技術に関する実習」等に協力または協力体制を確保していること(他の居宅介護支援事業所との連携も可)
・他の法人が運営する指定居宅介護支援事業所と共同で事例検討会、研修会等を実施していること(他の居宅介護支援事業所との連携も可)

【2024年改定のまとめ】

居宅介護支援事業所における特定事業所加算については、単位数の増加、一部の要件緩和、社会問題を顧みてのヤングケアラーへの支援強化、予防支援含めたケアマネジャー1人当たりの利用者数の増加が挙げられます。

【最後に】

居宅介護支援事業所における特定事業所加算は、質の高いケアマネジメントや体制を評価し、地域のよりどころとしての中心的役割を期待した加算になります。
訪問介護にも同名の特定事業所加算がありますが、それは今後、別のページで解説いたします。

令和6年度の改正から読み取れるのは、高齢者が人口比で増加していく中、支援が必要となる人口割合の増加への備え、地域住民がつつがなく社会の一員として普通の生活をするための地域支援の核としての期待です。既に多忙を極める事でも知られているケアマネジャーという仕事に対し大きな期待、そして信頼が寄せられています。少しでも業務量を減らすために、既にケアプランデータ連携システムが稼働し、国は支援しようとしていますが、実態としてはまだ浸透には至っていません。

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