【シャイニングワンスターズ株式会社(秋田県横手市)様】の事例インタビューです。
●本コーナーでは「無料もしくは低コストのITを使って、お金をかけずに介護をより良くする活動」を行っている「NPO法人タダカヨ」さんにご協力頂き、「介護ICTに関する理解」と「介護職の知見」を活かした、ケア樹ユーザーインタビューを実施して頂きました。
秋田県横手市で「自分にかかわるすべての人がハッピーになる」を理念に掲げ、介護サービス、保育、障害福祉の8つの事業所と飲食店を運営するシャイニングワンスターズ株式会社。
同社は、Wi-Fiの整備をはじめ、ICT活用にいち早く取り組まれてきました。
そこで今回は、ケア樹の導入の背景や、その成果についてショートステイ管理者の高橋様にお話を伺いました。
本日は宜しくお願いします!
どのように電子記録に移行していったのか、リアルなお話を聞けたらと思います。
まず、介護記録の電子化に取り組まれた背景を教えていただけますか。
未だ介護記録を紙に記入していた頃、私たちは①書類の整理に労力、②保管場所の確保、③同じ表現の記録を毎回手書きする手間など、そういった点に課題を感じていました。
そんな時にケア樹の提案をいただき、是非やってみようという事になりました。
同じような課題をもつ事業所は本当に多いと思いますが、すぐに導入に取り組まれていくスピード感がすごいですね。
では、数ある介護記録のシステムやサービスの中で、ケア樹を選ばれた理由は何でしょうか
まず「画面が見やすく分かりやすい」と思いましたし、こちらからの意見も丁寧に聞いてくださるのが魅力的でした。
見やすさについては、普段スマートフォンを使っている方なら基本的な操作が一目で分かる、良いデザインだと感じています。
また、「入眠中」や「お部屋でお茶を飲まれる」など、毎日繰り返し記録している同じ内容を「定型文」として登録できるので、定型文を選ぶだけで入力できるようになる所もよかったですね。
確かに、ぱっと見た感じの分かりやすさで、職員の皆さんは「これなら使えるかも」となりそうですよね。
導入にあたって、課題だった事はありましたか?
また、それをどう乗り越えていったかもお聞きしたいです。
一番の課題は、「IT全般に苦手意識のあるスタッフにどう伝えて習得してもらうか?」でした。
新しい取り組みへの抵抗感は、やはり感じやすいと思います。そのため、そのような職員に対しては、iPadの画面に表示されたボタンの中から選択するだけで入力が出来る事、単純に読みやすい記録を作成できる事、何より自分たちの業務効率が上がるというメリットを伝え続けました。
どれだけ見た目が分かりやすそうでも、実際に導入するとなるとスタッフの皆さんの協力が必要になりますね。
他に工夫された取り組みはありますか。
基本的な操作は研修を行っていきましたが、その後は習得したスタッフから、未だ習得していないスタッフをフォローしてもらえるようにしました。
また、職員がどの項目で入力するか迷いがちな点は、細かいルールをきちんと明文化し、なるべく混乱のないようにしました。
導入してから半年程で、定着・安定したと思います。
ICTに関しては「初めは抵抗があったけど、使ってみたら意外に大丈夫だった」という声も良く聞きます。
では、導入後の成果としては、どんな事が挙げられますか?
課題に感じていた紙の記録を整理する時間の短縮や、保存するスペースの問題が解消しました。
単純に記録が見やすくなり、紙の購入費も削減できるようになりました。
また、ケア樹の導入をきっかけにスタッフがiPadを日常的に使うようになった事で、記録以外でも良い変化がありました。
具体的には、YouTubeなど利用者様により楽しんでいただけるアプリを使えるようになったり、それまでは写真に撮って管理していたショートステイの荷物確認を、アプリを使って出来るようになったりという変化がありました。
業務効率以外でのそういった成果は、利用者様にもスタッフの方にとっても嬉しいですね。
今後も色々な発展がありそうです。
記録の電子化をきっかけとして、今後さらに取り組んでみたい事はありますか?
人材不足の課題や、ここ数年のコロナ等の隔離対応をきっかけに、カメラ型の見守り支援システムの必要性を感じています。
転倒などの利用者様のリスク軽減はもちろん、スタッフにとっても何かあっても安心して働ける環境づくりがしたいと考えています。
また、今後LINE通話を利用したインカムの導入が出来れば、より深い情報共有や、ミーティングなどの効率アップができると考えています。
新たなツールを積極的に取り入れていくことで、
今ある課題も改善しながら、より便利にしていけそうですね。
貴重なお話をありがとうございました!
高橋 旬也
所属:シャイニングワンスターズ株式会社(ショートステイ清川の里)
〒013-0032 秋田県横手市清川町13-16
役職:生活相談員兼副管理者。社会福祉主事。
中門 千恵子(所属:NPO法人タダカヨ)
福祉系専門学校卒業後、介護職員やケアマネジャーとして様々な施設で勤務。福祉系パラレルワーカーを目指し、現在は訪問介護ヘルパーとして勤務しながら、介護保険外の個人ヘルパーとしても活動。現場で、書類の多さや職員のコミュニケーション、ITツールの課題に直面した経験から、ITの導入で介護業界で働く人達の力になりたいと思いタダカヨに参画。
介護福祉士、ケアマネジャー。
NPO法人タダカヨ
「ITを上手に使って、お金をかけずにより良い介護へ」のビジョンの元、介護業界のIT活用を支援するNPO法人です。
https://mmky310.info/