【フレイルとは】

「フレイル」とは海外の老年医学で使用されている英語の「frailty(フレイルティ)」に由来します。「frailty」とは、日本語では虚弱・老衰・脆弱・はかなさもろさ・意思の弱さという意味になります。日本語の「虚弱」は元に戻せない意味が含まれるため、正しく介入すれば元に戻せるという可逆性の意味があることを強調するため、英語そのままではなく新たに「フレイル」という日本語の単語として、平成26年に一般社団法人日本老年医学会によって提唱されました。

「フレイル」とは、高齢になるにしたがって身体機能、認知・判断力などが低下し、社会的に孤立して孤独になりつつある状態であり、健康と要介護状態になる中間の状態を表します。「フレイル」は要介護状態になる前ですので、栄養管理や運動などで適切に介入することができれば健康に戻ることも可能です。また、フレイル初期には「オーラルフレイル」という状態の口腔機能の低下についても注目が集まっています。

「フレイル」は3種類あり、「身体的フレイル」「精神心理的フレイル」「社会的フレイル」に分類され、互いに影響しながら進行していきます。また、「身体的フレイル」については「サルコペニア」「ロコモ」の影響を大きく受けることが知られています。フレイル予防のためには、「サルコペニア」「ロコモ」の予防や改善が必要となります。

【サルコペニアとは】

「サルコペニア(sarcopenia)」は、ギリシャ語で筋肉という意味の「sarx」、喪失という意味の「penia」から作られた言葉で、日本語では「筋肉減弱症」と訳されることもあります。「サルコペニア」は、1989年にアメリカの学術雑誌にて提唱され、その後は加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下として定義されてきました。
 食事量とバランスが悪く栄養状態が十分でない低栄養状態であることや、運動量や身体可動の少ない生活習慣が原因で筋肉の量が減り、そのためにさらに運動量が減るという悪循環の結果、「サルコペニア」は進行していきます。進行が進むと要介護状態になる可能性が大きくなります。痩せている人が該当することが多い状態ですが、筋肉ではなく脂肪によって体重が多い場合には「サルコペニア」に当てはまることがあります。

【ロコモとは】

「ロコモ=ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)」は、英語で移動することを表す「locomotion」、移動するための能力があることを表す「locomotive」からつくった言葉で略称を「ロコモ」、和名を「運動器症候群」として2007年に日本整形外科学会により提唱されました。移動機能の低下をきたした状態で、放っておけば要支援・要介護の状態になる可能性のある、可逆性はあるももの慢性的、永続的な運動器の障害と定義されています。

筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板といった運動に関わる身体部分のいずれか、あるいは複数に障害が起こることで立ったり歩いたりが上手くできず、自立して移動することに何かしら支障が起きている状態となっています。簡単な診断基準として、片脚立ちで靴下を履けるかどうか、家の中でつまずくことがあるかどうかなどがあり、当てはまる場合は「ロコモ」の可能性があります。また病気としては骨粗しょう症も関係しています。

【フレイル・サルコペニア・ロコモの関係性】

「身体的フレイル」の原因の一つに「ロコモ」があります。
さらにその原因の一つが「サルコぺニア」ということになります。

「サルコペニア」「ロコモ」の中の概念の1つです。
「ロコモ」の中で、歩行困難の原因を「筋肉量・筋力のみ」に限定しているのが「サルコペニア」です。

【フレイル・サルコペニア・ロコモの予防】

「フレイル」の症状は特徴に可逆性があることをいうのは前段でも筆記いたしましたが、予防や改善が可能な症状もあります。
予防や改善に最も有効なのは栄養状態の改善と適切な運動だと言われています。
栄養については、タンパク質に対して気を配る必要があります。高齢者は肉や魚が徐々に苦手になる方もいて、タンパク質が不足しがちです。豆も有効ですが、豆腐をみそ汁に少し入れただけでは十分とは言えません。また、タンパク質にもいろいろな種類があり、肉や魚はとくにタンパク質としては効率が良い食材となりますのでできるだけお召し上がりになる方が良いでしょう。

具体的には体重1Kgあたり以上1~1.5gほどが目安です。この割合がいかほどか申しますと、殻の無いLサイズの卵は卵黄卵白合わせて約60gと言われています。しかし、この卵、実際のたんぱく質は12gなのです。例えば体重48㎏の方であれば4個必要です。厳しい。しかし朝夕で1回に1個摂取できれば前例の体重48㎏の人であれば半分は摂取できます。豆腐も絹ごしではなく木綿を選択することで少しタンパク質量を増やせます。肉や魚をどうしても受け入れられない場合、アレルギーでない場合にはなりますが、卵と豆腐、納豆を多めにお召し上がりになられることで一先ずタンパク質の摂取ができています。
もちろん食材は多く使った方がよいですので、これはあくまで肉と魚がどうしても…という方向けになります。

適切な運動については、階段の昇降、坂道の上り下りという「日常生活動作」に加え、「レジスタンス運動」が有効だと言われています。「レジスタンス運動」は筋肉に負荷をかける運動で、スクワットや腕立て伏せ、ダンベル体操などがそれにあたります。これらの運動は徐々にできる範囲で始めることで徐々に強化され、いつしか衰えの進行を妨げ、改善までも期待することができます。とにかく続けることが大事なので、習慣に取り入れるようにすることが第一歩となります。

【最後に】

誰しもが通る道、それが加齢です。
「QOL(人生の質)」を左右するのは健康寿命とはわかっているものの、つい楽な方へ楽な方へ行きたがる…しかし、だがしかし!
自らを奮い立たせ、筆者自身も肝に銘じたいところです。

最後までお読みいただきありがとうございました。