介護業界において、業務を円滑に進めるためのソフトウェア・システムで機能は様々です。
ほとんどの場面で同じものを意味します。
厚生労働省の定義では、介護ソフトとは、介護請求、介護記録、ケアプラン管理、サービス提供票管理、アセスメント管理、業務報告書管理、利用者情報共有など、介護業務にまつわる事務がデジタル化できるシステムのことを指しています。必要な情報通信機器はパソコン、タブレット端末、施設・事務所等の通信環境とされることからインターネット環境も必須です。
厚生労働省の施策の「介護現場におけるICT化の促進」の事業の中でもICT導入支援事業の対象となっているなど、介護事務の電子化は国としても早期に実現して欲しい分野として示されて久しい介護現場の業務の一つとなっています。
「介護現場におけるICT化の促進」については厚生労働省から、E-ラーニングが可能なように導入事例の紹介の無料視聴が可能なようYoutube公開されているため、是非ご参照ください。

最近では、各事務業務に特化し、自動入力やAIを組み込んでいるシステムも登場しており、入力だけで終わらずに入力された情報を活用して分析するようなものも登場しています。
また、2021年より科学的介護推進体制加算(LIFE加算)が登場し、データを収集し介護業務に活かすという流れは既に本格化しています。

【介護業務の課題解決(ソリューション)は事務業務から】

なぜ事務業務のデジタル化が推奨されるのでしょうか。
それは介護業務自体が、人々が日常を生活するためになくてはならない重要な仕事であり、機械を導入しようのない部分を多く抱えながら複雑な業務を遂行しているからに他なりません。
就労人口が減っていく日本にあって、人間でなくてはならない仕事が多い業務だからこそ、事務はなんとか削減したい。しかし、必要があって生まれた事務作業に無駄はないとなれば、事務業務こそ機械で出来ないかとは当然の帰結です。

【どんなメーカーの何のソフトウェア・システムを導入すればよいのか】

介護請求においては非常に複雑化しているため、既にソフトウェアやシステムを導入している施設・事業所が圧倒的多数ですが、トータルとして考えた場合の介護事務の支援システムとしては、完全に活用し業務効率化を成功させ、既に分析も可能となっている施設・事業所もある一方で、まだきちんと活用できていなかったり、機能はあるのに使用を踏みとどまる施設や事業所も存在します。
活用できていない、機能を使用していない施設・事業所について、よくある要因の一つは「忙しさ」です。
あまりに忙しく丁寧に説明し浸透させる時間が取れないことは新しいものを始めることを停滞させます。
また、施設・事業所内には機械が苦手な方が必ず居ますので、導入初期には業務が今までより逆に遅くなるという現象が必ず起きます。機械が苦手と自称される方は、多くはアナログでの効率がとても良く、現場でも一目置かれているような存在の方であることが多く、現場内で機械の方が早いという方の意見が採用されないケースが出ます。その導入初期の対応が上手くいかない場合、「機能を使用しない」という選択肢が現場に生まれ、活用することが難しくなります。
では、どんなメーカーの何のソフトウェア・システムを導入すればよいのか、これは単なる事務作業を楽にするというだけでなく、施設や事業所の予算、業務管理の方法、仕事の進め方、理念、コンセプト、現場の思いが大きく絡んできますので、一辺倒に「これが絶対いい!これがおススメです!」と言い切ることは難しくなります。そこで重要なのは、購入前の【体験】です。

【「体験」による目的の明確化、そして納得】

介護ソフト・システムは最終的に管理する書類は同じでも、各メーカーで方法や特徴が異なっています。
最初は、クラウド型かオンプレミス型かの選択になりますが、こちらは予算によっては簡単に判断できてしまうかもしれません。

まずは①~③を確認しましょう。

①施設・事業所でどの事務業務を電子化したいか

②最低限、欲しい機能は入っているか

③現場の業務ルーティン上に導入する際に、担当は相談に乗ってくれるか

これらは、まず、選択上で土台となる条件です。
無料体験ができる場合は必ず活用しましょう。
他にも、運用上で気になったことは体験中に全て質問すると、その時点で活用方法や成功事例などの情報を引き出すことができます。
体験利用では、ソフトは安定的に稼働しているか、一括入力などの操作性や現場のニーズや希望に沿っているか、製品の特長は現場の業務改善に繋がるかなどはしっかりと確認することが大事です。
ソフト・システム自体の条件も詳しく確認する必要があります。
例えば、3年に一度の報酬改定(法改正)のバージョンアップ対応が有料か無料か、使用したい見守りセンサーやバイタル計測機器など介護ロボットのデータが連携して一気通貫するのかどうか、電話サポートの問い合わせは繋がりやすいか質問に的確に答えてくれるか、データのバックアップに問題はないかなどです。
信頼できる・信用できる・現場の役に立つと職員様も納得した上で選択することが重要となります。

【介護ソフト・システムは導入してなかったと思っていた、もしくは活用できていなかった施設・事業所様へ】

一旦、ご利用中のソフト・システムをご確認ください。
請求の機能以外にも多数の機能があるかもしれません。
もしかして導入初期で現場が「使用しない」という選択をしなければならない何らかの事情があって、機能があるのに使っていないのかもしれません。
使用しにくい場合、機能がない場合、先の時代・就労人口の減少でどんどん採用が難しくなっていく事を考えれば他のソフト・システムの選択も考えられます。
世の中には多くの介護ソフト・システムがありますので、現場の課題は何なのか、今一度確認が必要となるでしょう。その上で解決できるベストな条件のものをご選択ください。
実はいままで考えたことのないようなソフト・システムが現場の一番課題解決にピッタリなのかもしれません。
事務業務は効率化するに越したことはありません。
まずは、無料体験できるものがおススメです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

※介護保険制度の詳細については各自治体の介護保険制度の担当窓口にお問合せください。