【社会福祉法人城西福祉会(鹿児島県)様】の事例インタビューです。

●本コーナーでは「無料もしくは低コストのITを使って、お金をかけずに介護をより良くする活動」を行っている「NPO法人タダカヨ」さんにご協力頂き、「介護ICTに関する理解」と「介護職の知見」を活かした、ケア樹ユーザーインタビューを実施して頂きました。

鹿児島県内を中心に介護サービスを展開されているオアシスケアグループ。社会福祉法人城西福祉会様は、平成28年に鹿児島市で法人を設立し、ショートステイやデイサービスを併設する特別養護老人ホームを県内3ヶ所で運営されています。

今回はケア樹を活用されているオアシスケアグループの中から、令和3年の開設時よりケア樹を導入されている「特別養護老人ホーム オアシスケア清水」の橋口様より、ケア樹活用方法やメリットについてお話を伺いました。

オアシスケア清水
中門さん
中門さん
(タダカヨ)

本日は宜しくお願い致します!
オアシスケア清水様は開設の段階からケア樹を導入されたとの事ですが、どういった背景で導入を決められたのでしょうか?

橋口様のアイコン写真
橋口様

第一には、介護記録を電子化する事によって記録作成にかかる時間を減らす事でした。
記録時間を減らす事により、できた時間を利用者様のケアやレクリエーションに充て、利用者様の生活の質の向上になると考えました。
第二には、ペーパーレス化です。紙の記録が煩雑になってしまう事を防ぎ、使用する紙の量を削減する事が目的でした。

また、私どもの法人は、スタッフの多国籍化を見据えています。
既に外国人スタッフが在籍していますが、日本語の語学力が未熟な方でも、電子化をする事により記録業務が行いやすくなると考え、その点も踏まえて導入しました。

中門様のアイコン写真
中門さん
(タダカヨ)

外国人スタッフの方と働くという事は、コミュニケーションや記録の面でどのような点が課題になりましたか?

橋口様のアイコン写真
橋口様

現在15名ほどの外国人スタッフが働いていますが、日常会話に大きな問題はありません。
ただ、分かりにくい専門的な言葉はフォローする必要があります。
取り組みとして、月に1回「日本語テスト」を行い、記録業務がよりスムーズにできるようにサポートしています。

中門さん
中門さん
(タダカヨ)

日本語を勉強しながら日々の記録業務を行うのは大変かと思いますが、外国人スタッフの方々にとって、ケア樹を使えるメリットはどういったものがありますか?

橋口様のアイコン写真
橋口様

誰でも読みやすい記録として残せる事だと思います。外国人スタッフにとっては、話す事よりも書く事の方が難しく、「業務上の重要な記録として人に読まれる」という前提で読みやすくするのは課題になります。

その点、ケア樹を使えばパソコンのキーボードでもタブレットでも入力ができ、また項目を選択するだけでも記録が完了するので、読みやすい記録作成ができ、かつ記録時間も大幅に短縮する事が出来ます。

読みやすい記録にするための文例を作っている
読みやすい記録にするための文例を作っている
中門さん
中門さん
(タダカヨ)

外国人の方にとって、ただ「書く」だけでなく「読みやすい」記録作成をサポートする事も重要なんですね。「記録を作成をする人」は作成のハードルが下がり、「読んで確認する人」は誰のものでも読みやすくなり、現場の全体的なプラス作用が働きそうです。

オアシスケア清水様は開設当初からケア樹を導入されたとの事でしたが、他の介護ソフトと比較しての違いなどはどのように感じられますか?

橋口様のアイコン写真
橋口様

以前、クラウド型ではなく、パソコンにインストールするタイプの介護ソフトを使っていた事がありました。記録ができるパソコンが限られ、また介護記録と連動していなかったため、内容に応じて、紙への記録やExcelでの入力など振り分けて対応していました。

ケア樹のようにクラウド型であれば、インターネット環境があればどこでも記録ができ、またそれを読む事ができるのは大きなメリットだと思います。

中門様のアイコン写真
中門さん
(タダカヨ)

記録をしたいスタッフがパソコンの順番待ちをする状況は、よくありますよね(笑)
それでは、数ある介護ソフトの中でケア樹に決めた理由を教えていただけますか。

橋口様のアイコン写真
橋口様

理由は数多くありますが、クラウド型のシステムである点に加えて、コストパフォーマンスに優れている事が最大の魅力でした。
他には、「LIFEとの連携(LIFE情報の登録と集計したCSVデータ出力)」が出来るので、LIFE加算の取得に向けてかなり動きやすかった事も大きな理由です。

LIFE情報の登録と、集計したCSVデータ出力が可能
LIFE画面画像
中門様のアイコン写真
中門さん
(タダカヨ)

他の事業所様の事例でも、LIFE加算取得に向けてという点が決め手だったというお話をよく耳にします。では、ケア樹の導入に関して課題になった事はありましたか?

橋口様のアイコン写真
橋口様

開設時から導入していたので、スタッフは初めからそれで覚えていく事ができ、定着は思ったよりもスムーズに進んだと思います。
実は私自身が、使い始めは「前の方が使いやすいかも‥」と思ってしまって(笑)
でもそれは、ケア樹を十分に活用するだけの知識がなかっただけで、慣れてしまうと「ケア樹の方が断然便利」だと感じました。
いきなりすべてを活用しきれる訳ではなく、方法や機能を少しづつ知り、徐々に蓄えていった感覚です。

中門さん
中門さん
(タダカヨ)

スタート時から機能の全てを活用しようとすると大変そうですが実際に使いながら、徐々に活用の幅を拡げていくと使いやすさを実感できそうですね。
他に、ケア樹を利用して便利に感じた所はありますか?

橋口様のアイコン写真
橋口様

ケアプラン作成で、特に更新作業が非常に行いやすい事です。
ベースとなるアセスメント情報があれば、それに基づいて少ない手間で更新が可能ですし、データの連動性があるので評価がしやすく、根拠に基づいたケアプラン作成ができています。

中門様のアイコン写真
中門さん
(タダカヨ)

日々の介護記録だけでなく、ケアプラン作成や評価、見直しの点でもケア樹の機能が活かされているんですね。
最後に、今後取り組みたい事などはありますか?

橋口様のアイコン写真
橋口様

地域の事業所様と様々な書類のやり取りがあるので、毎月の請求関連の書類などを全てケア樹の中でデータでやり取りが出来たら、さらなる効率アップや紙の削減が期待できると思います。
そのためにはもちろん、地域の他の事業所様も一緒にICT活用が進んでいく事が前提にはなりますが、たとえば今は提供票の送信、受信だけでも毎月かなり多くの紙が必要な所が、電子化が実現すれば双方で毎月数百枚の紙の使用を削減できるになりますよね。
作業面でも、クリック一つで請求の確認や確定が出来たら、更なる効率アップに繋がると思います。

中門さん
中門さん
(タダカヨ)

地域全体で進んでいけたらと想像すると、より活用出来る幅も拡がっていきますね。
外国人スタッフの方の採用から地域全体を捉えたお話まで幅広い視点でのお話ありがとうございました!

■橋口様のプロフィール
橋口様のプロフィール写真

橋口 亮太
役職  :  係長
仕事内容:  利用者のアセスメントから課題分析及びケアプランの作成、管理
趣味  :  料理、猫

■インタビュアーの中門さんのプロフィール
写真 中門 千恵子

中門 千恵子(所属:NPO法人タダカヨ)
福祉系専門学校卒業後、介護職員やケアマネジャーとして様々な施設で勤務。福祉系パラレルワーカーを目指し、現在は訪問介護ヘルパーとして勤務しながら、介護保険外の個人ヘルパーとしても活動。現場で、書類の多さや職員のコミュニケーション、ITツールの課題に直面した経験から、ITの導入で介護業界で働く人達の力になりたいと思いタダカヨに参画。
介護福祉士、ケアマネジャー。

NPO法人タダカヨ
「ITを上手に使って、お金をかけずにより良い介護へ」のビジョンの元、介護業界のIT活用を支援するNPO法人です。
https://mmky310.info/