【ときわタクシー株式会社(愛媛県今治市)様】の事例インタビューです。

●本コーナーでは「無料もしくは低コストのITを使って、お金をかけずに介護をより良くする活動」を行っている「NPO法人タダカヨ」さんにご協力頂き、「介護ICTに関する理解」と「介護職の知見」を活かした、ケア樹ユーザーインタビューを実施して頂きました。

ときわタクシー様は、昭和35年に愛媛県今治市でタクシー業を創業されました。介護保険がスタートした平成13年には訪問介護事業をはじめ、障害者福祉事業、居宅介護支援事業を開業、続けて平成24年にはデイサービスをスタートしています。

タクシー業から始まった長年の歴史のなかで、介護福祉分野だけでなく、タクシー業を活かした塾や習い事の送迎、タクシー観光等トラベル部門など幅広く展開されています。

今回は、介護記録の電子化にあたり、サービス選定や現場での導入を中心となり推進された、デイサービス管理者の矢野様にお話を伺いました。

ときわタクシー写真
中門さん
中門さん
(タダカヨ)

本日は宜しくお願いします!
ときわタクシー様がケア樹など介護記録の電子化に取り組まれたことは
今治市内でもかなり先進的こととお聞きしました。
どのように進めていかれたのか、お話を聞けるのが楽しみです。

まず、介護記録の電子化に取り組まれた背景を教えていただけますか。

矢野様
矢野様

当時の介護記録に使っていたソフトのままだと5年更新で数百万円かかってしまうため、費用面での課題がありました。
また、ケア樹を導入する前は記録できる手段に限りがあり、記録のためにパソコンを使用する順番待ちが発生していました。他には、会社に居ないと記録ができない事も課題として感じていました。

中門さん
中門さん
(タダカヨ)

どちらも介護現場だと「あるある」かもしれませんが、改善したい点ですよね。
ケア樹に決めるまで、他のメーカーも検討されましたか。
また、その決め手は何だったのでしょうか?

矢野様
矢野様

10~15社ほど検討して、その中から4社デモ使用し、最終的にケア樹さんに決めました。
決め手は、①見やすく使いやすい事と、②営業の方のサポートでした。

どのサービスでも使用する項目はほとんど同じだと思いますが、ケア樹さんはかなり見やすかったです。
データを引用できたり、一括で操作できたり、少ない手間で使える機能があるのも良かったです。

営業の方のサポートについては、疑問や困った事があって問い合わせをした時の回答が早く、信頼できると感じました。
毎月の請求の時など早めに対応してほしい事も多いので、ユーザー数が多く人気のあるメーカーも含めて検討しましたが、本当に最終的な決め手はその信頼感です。

中門さん
中門さん
(タダカヨ)

大事なのは導入してからで、困った時に素早く対応してくれるのはかなり魅力的ですね。
費用面が課題だったとの事でしたが、その点はいかがでしたか?

矢野様
矢野様

以前使用していたソフトの契約も残っているので、現在2か所支払いがある事になります。
それでも、更新してまた数百万のコストをかけるよりも、今の段階で切り替えるのが良いと判断しました。
また、助成金も利用できたのでその点も後押しになりました。

中門さん
中門さん
(タダカヨ)

その他の課題に関してはいかがでしたか?

矢野様
矢野様

スタッフが操作を習得するまでのサポートが課題でしたが、各事業所の責任者と協力しながら進めていきました。
それでも私が窓口となり質問される事は多かったのですが、お互い離れた場所に居てもケア樹を開いて状況を確認できたり教えたりする事が出来たので、ケア樹にしたのはその点も良かったと思っています。

中門さん
中門さん
(タダカヨ)

クラウド型のケア樹にした事で、他の面でも様々な成果があったのではと思いますがいかがでしたか?

矢野様
矢野様

コロナの流行もあったのですが、ケア樹にした事でケアマネジャーは在宅勤務が可能になり、新しい働き方を導入できたと思います。

他には、使う紙の量を削減できましたし(以前の1200~1300枚から、現在は約500枚)、記録時間の大幅な短縮にも繋がりました。以前は「記録の時間」をまとめて確保する必要がありましたが、現在は業務の合間にさくっと入力できるようになったのが大きいです。

ケア樹を活用している様子
ケア樹を使用する様子
中門さん
中門さん
(タダカヨ)

ケア樹の操作のしやすさ、わかりやすさも記録時間の短縮に繋がっていそうですね。
たくさんの成果をあげられたようですが、今後、取り組んでいきたい事はありますか?

矢野様
矢野様

さらにペーパーレスを進めていきたいです。
ケア樹を導入して以降、タブレットを使用していると他の事業所さんに驚かれる事もありますが (笑)、担当者会議などにタブレットを持参して、その場でサインをいただいたり、修正したりできるようになれば
後日作り直してまた紙で送って・・という事もなくして、事業所間の連携を、より効率良く行えるようになると思っています。

中門さん
中門さん
(タダカヨ)

介護記録の電子化のご経験が、内部だけでなく地域の他の事業所さんとの連携に活かせていけそうですね。
貴重なお話をありがとうございました!

■矢野様のプロフィール
矢野様写真

矢野 澄江
所属:ときわタクシー株式会社
〒794-0015 愛媛県今治市常盤町5-5-29
担当:デイサービス・居宅介護支援事業所
役職:取締役

ときわタクシー株式会社 取締役。柔道整復師の免許を取得し、介護のリハビリを中心にデイサービス業務に従事。実務経験を経てケアマネ試験に挑戦、3度目にして合格し現在はデイサービスの相談員と居宅のケアマネを兼務。職員さんが居心地のいい職場を目指して尽力しておられます。

■インタビュアーの中門さんのプロフィール
写真 中門 千恵子

中門 千恵子(所属:NPO法人タダカヨ)
福祉系専門学校卒業後、介護職員やケアマネジャーとして様々な施設で勤務。福祉系パラレルワーカーを目指し、現在は訪問介護ヘルパーとして勤務しながら、介護保険外の個人ヘルパーとしても活動。現場で、書類の多さや職員のコミュニケーション、ITツールの課題に直面した経験から、ITの導入で介護業界で働く人達の力になりたいと思いタダカヨに参画。
介護福祉士、ケアマネジャー。

NPO法人タダカヨ
「ITを上手に使って、お金をかけずにより良い介護へ」のビジョンの元、介護業界のIT活用を支援するNPO法人です。
https://mmky310.info/