【社会福祉法人徳美会(北海道)様】の事例インタビューです。
●本コーナーでは「無料もしくは低コストのITを使って、お金をかけずに介護をより良くする活動」を行っている「NPO法人タダカヨ」さんにご協力頂き、「介護ICTに関する理解」と「介護職の知見」を活かした、ケア樹ユーザーインタビューを実施して頂きました。
北海道内西側地域で介護、保育、障がい福祉事業を展開している社会福祉法人 徳美会様は職員20名、利用者32名に対しケア樹を活用。
今回は島牧村の小規模多機能施設「潮の音」の宮本様にお話しを聞きました。
ケア樹活用の実例、盛りだくさんのお話しになっております。
宮本様に、ズバリお聞きします!
ケア樹を活用して1番の成果はなんでしょうか?
申し送りが5分になったことですかね。
ケアマネとして朝礼に入っているのですが、私が話していると職員が「うん、うん」と頷くんですよ。
昔は朝礼が長かったイメージだったんですが、ケア樹に情報を書いておくと職員が申し送り前に目を通しており、申し送りの時は共有するだけ、必要があれば職員から質問がくる
その結果、大幅な時間短縮になったと思います。
す、すごい
ことばを交わさずして情報が共有されてるっていうのは本当、大きいですよね。
例えば、私が「今日、◯◯さん退院して自宅に戻ります。お願いします」と話すと
みんな、うなずいているんです。
既に退院の予定、その人の病状も伝わっているんだなと嬉しくなります。
すごい安心感です。目を見ればみんなうなずいているってのは
いや〜すばらしいですねっ!!
紙だとこのやりとりは中々、出せないと思います。
誰かが書いている時は「書けない、見れない」状態になりやすいですよね。
共有場所を紙から電子化に伴って、どのぐらいデバイスを導入されていますか?
タブレット5台です。
5台あると働いている職員の待つ時間も少ないと思います
タブレットを導入して、課題はありましたか?
充電ですかね。充電環境を整えました。
具体的には卓上、タワー型の充電器を採用したこと
1箇所だった充電場所を複数箇所にしたことです。
ささいなことかもしれませんが、使う時に「あ、充電がない。充電してから記録しよう」「充電しなきゃ、充電器までいくのがめんどくさい」
IT導入に対して苦手意識がある人は特に「自分が触ったら電池がなくなる。迷惑になる」という職員もいて、こちらから環境を整えることでITストレスを解消しました。
「充電しましょうね」とこっちが言うのに充電場所が遠かったり、空いてなかったりすると充電する意識が無くなり、結果としてケア樹への入力意識も無くなると思うんです。
ITが苦手な方へのストレスを解消することで環境を整える。
とっても大事なことだと思います。
申し送り、充電とすばらしい活用事例が続きますが、ケア樹を導入して他に変化があったことはありますか?
ケアマネとして「情報を貯めておけること」。
最近では「ケア樹をカスタムしている」ことですかね。
「情報を貯めておけること」「ケア樹のカスタム」
どちらも気になります!笑
ではまず、「情報を貯めておけること」からお願いします。
メモしたものを整理して入れておける
データバンクじゃないですが「後で活用できる点」です。
どれだけ情報持ってるかで、
「ケアの厚み・ケアの質が変わってくる」と思っています。
個人的には地域密着なので2年の情報を貯めれればいいかな〜と。
ただ、これを「紙で管理する」となると大変ですよね。
その分ケア樹は、データ上に何年分も情報を蓄積することができる。
たしかに。情報をどれだけ持っているかでその後のケアに関わってくると思います。
ちなみに2年分のデータを紙にすると、どの位だったりするんですか?
一般的な「段ボールが最低でも3つ」。最低です。
それが「ケア樹を活用したら、みかん箱1つ」になったんです。
どうしても紙で保管をしないといけないものだけにして、後はケア樹の中にデータとして残っています。
すごい!3分の1っ!!
しかもケア樹だと検索機能があるので「あれどこいった?」と探すのも手間が省けますし
そうそう。楽ですよね〜
今となってはケア樹が無くなったら困りますね〜
保管場所、検索のしやすいさ・速さが紙よりクラウドの優位性ですよね。
ありがとうございます。
では次に、「ケア樹のカスタム」についてお願いします。
はい。同じ病院受診でも
・オンライン受診
・電話受診
・往診
・本人受診
・家族受診
・スタッフ付き添い
どんな受診なのかを把握したいと声がありまして
今までは「その他」に情報が集まっていたのですが「その他」の物量が多く、その中に医療的な要素が入っているってどうなのかなと思い。
ここを今、カスタマイズしている感じです!
一概に「受診」と言っても、色々なパターンがありますよね。
情報をカテゴリーごとに集約することはその後の情報共有も円滑になりますし。
その他にあると探すのが大変そう…
そこ(受診)に情報を入れておくことで「情報が一元化」され、
その後の医師、家族とのやりとりに役立つんじゃないかと考えてます。
情報を入れる、貯める。そして活用する
「情報共有の大事な要素が詰まったお話」ですね。
必要なものをどんどん増やした結果かなと
これからもケア樹、活用していきたいと思います。
「申し送り」「環境整備」「情報共有」
事業所内で行なっている実体験を本日は宮本様にお話し頂きました。
他事業所でも参考になるお話しをたくさん聞くことができました。
宮本様、ありがとうございます。
係長
仕事内容/介護支援専門員・介護職員
趣味/旅行、ヨサコイ(室蘭百花繚乱チーム)応援
佐藤 弦(所属:NPO法人タダカヨ)
2013年から10年介護業界(通所介護、訪問入浴、ショートステイ)で働き
ショートステイでは介護記録、SNS、ICT、ビジネスチャットの導入・運用を担当
現在は、タダカヨのライターとして活動中。
好きなものはネコとカレーライス。
NPO法人タダカヨ
「ITを上手に使って、お金をかけずにより良い介護へ」のビジョンの元、介護業界のIT活用を支援するNPO法人です。
https://mmky310.info/