介護施設に向けた高齢者のための見守りセンサーは年々種類も増えて機能も充実し、条件や機能を満たした製品を介護施設側が選べるようになってきました。
それぞれの製品には機能や特徴に個性があり、導入する目的や施設の状況・人員などによって選定基準が異なります。
今回は、個性あふれる見守りシステム(見守りセンサー)について、いくつか種類や適用についてご紹介いたします。
【見守りセンサーの種類】
見守りセンサーは検知方法に分けて大まかに種類があります。
赤外線:夜間の暗い環境での見守りや室温が、温度確認で管理できます。
カメラ:状況を撮影・録画できるのが特徴で、画像処理による解析が可能な場合があります。
バイタルセンサー:ベッドマットの下に設置するイメージで、心拍数や呼吸数、離床状況を確認します。
【見守りセンサーの適用】
全床に設置するわけではありません。
必要な状況にある必要な方に対し設置するのが普通です。
例えば、徘徊があるなどで夜間に転倒のリスクの高い方や昼間のご様子が芳しくない方でケアを適切に行うために夜の睡眠状況を把握する必要のある方などに適用されるケースが多いです。
一時期プライバシーの保護の観点により、カメラ型が敬遠された時期もありましたが、センサーメーカーの企業努力により、その点は今では大きく解消・改善され、介護施設側がどんなケアをするためにどういった状況を測定したいか、どんな業務上の問題を解決したいか(夜勤の業務負担軽減など)がカギになっています。
【見守りセンサーを設置するために必要な環境】
ほとんどの見守りセンサーはインターネット環境が必要です。
Wi-fi推奨の場合も多くなってきています。
施設内のインターネット環境の確認は必須になります。
注意点としてはセンサーを決める前に工事してしまうと、電波強度という点が問題になり追加工事が必要になることがあります。これからセンサーを入れようとしている施設様の場合、インターネット環境がまだであれば、是非、センサーと照らし合わせながらお考えいただくことをお勧めします。
また、インターネット環境の整備に関しては地域・時期などで様々な補助金がありますので、その点についても是非お調べ頂く事をお勧めいたします。
【見守りシステム(見守りセンサー)で解決できること】
見守りシステム・センサーは「測定してケアに役立つ」だけでなく、「センサーで情報を取得すること」によって、副次的にスタッフの業務の心理的負荷が減ること、現場のモチベーションに改善が見られるという実証結果が得られています。
参考:厚生労働省 介護ロボット等の測定効果報告書
具体的には、正確なデータを得られることでの適切なケアの適用、発報(アラート)内容がスタッフの待機場所からでも確認できることでの訪室回数の低減による利用者の安眠確保、職員の移動・巡回などの移動負担軽減です。緊急時にも発報内容が確認できるため、対応の優先順位を決める際にも大きく役立ちます。また、最近では見守りシステムと介護業務支援システムがデータ連携するものもあり、連携して利用した場合は、介護記録への転記や記入ミスを無くすことでの介護事務業務への負担軽減が可能になります。
【見守りセンサーを使いこなすために】
現代日本では介護業界を含む就労人口がどんどん減少していく中で、高齢者は増えています。今後介助を必要とする高齢者も増えると予測される中、ケアをする側が同じ体制を組めなかったとしても見守りセンサーを上手く活用することで、従来と同質・もしくはそれ以上のケアを提供することができます。
介護施設で見守りセンサーを導入するということで、スタッフの負担を大幅に軽減し、緊急時の対応を助け、さらには余裕が生まれることで心の持ちようも向上させることができます。
施設に合った見守りセンサーを選んで導入することで、是非現場の業務改善にお役立てください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
※介護保険制度の詳細については各自治体の介護保険制度の担当窓口にお問合せください。